根っこの治療を完了したはずなのにナゼ?!
根っこの先が膿んでしまって、膿みの袋ができるのを『歯根嚢胞』といいます。嚢胞の前には歯根肉芽腫になり、歯根嚢胞という病気になっていきます。根っこ先に「膿の風船」ができてしまうイメージですね。放置しておくと、骨を溶かしながら袋が広がって痛みを伴い、骨をむしばんで溶かしていきます。よくある症状は、ほっぺた側にフィステル(ろう孔)があり、ポツッとニキビみたいに膿が出てきます。
原因は①根っこの治療が不完全である。➁歯根破折といって根っこが割れている。➂むし歯を放置して中の神経が自然に腐ってしまい、根っこの先が膿んでいる。好発部位は特になく、全ての根っこに起りうる可能性は否定できません。
根っこの治療は、歯の中の神経を抜いたときに感染源が入るリスクもあります。やはり根っこの治療は非常に難しく、いわゆる歯髄炎や根尖性歯周炎から歯根嚢胞になっていきます。
嚢胞が大きくなると治療法の選択肢が限られていて、抜歯をしなければなりません。抜いたときに一緒に膿をとる、もしくは根っこの先の膿だけを取る手術をする(歯根端切除)。あとは、歯根端切除ができない部分であれば、歯を一回抜いて膿をとって再び歯を戻す(歯牙再植)。
歯根嚢胞は自覚症状や痛みがないので、歯科医にCTできちんと診断してもらって、CT上で奥にどのくらい広がっているのかをしっかりと確認し、処置をしてくれる診療所を選ぶことが大切です。
- 関歯科医院
- 関 千俊 院長
- さいたま市浦和区/常盤/浦和駅
- ●歯科 ●矯正歯科 ●小児歯科 ●歯科口腔外科