口の健康が全身の健康につながるという意識は獣医療にとっても重要な考え方になってきている
諸説ありますが、3歳以上の犬の7割から8割が歯周病に罹患していると言われています。歯周病は重症度によって4段階に分けられます。歯ぐきが赤くなったり、少し口臭が出てくるようになるのがステージ1と呼ばれる状態です。これがステージ2以上になると、徐々に歯の周囲の骨が溶けてきてしまい、歯のぐらつきが見られるようになり、最終的に歯が抜け落ちてしまうことになります。
治療としては、歯石の除去によって口腔内の環境を良くすることが第一に求められます。その上で抜歯せざるを得ないケースでは、問題のある歯を抜くことで明らかに口腔内の環境は改善しますので、その2つが有用な治療ということになってきます。
人に関して言えば、歯周病は糖尿病や認知症の要因の1つとなったり、低体重児の原因になると言われていますが、犬に関してはそれらはまだ証明されてはいません。しかし、心内膜炎が歯周病菌によって引き起こされることがすでに確認されているように、犬についても歯周病が全身の疾患と大きく関わっていることは間違いないと言えるでしょう。
- サーカス動物病院
- 平塚 彰吾 院長/歯科診療部長
- 藤沢市/菖蒲沢/湘南台駅
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