吉武 勇 院長
YOSHITAKE ISAMU
23年間の心臓外科医としての経験を活かし、「安心感」を第一に、訪問診療をはじめとした高齢者医療に注力
日本大学卒業後、同大学第二外科学講座に入局して研鑽を積む。日大大学院にて外科学系循環器外科専攻の博士号取得。これまでに心臓外科、心臓血管外科医として東京、神奈川、長野、ドイツなどの総合病院に勤務する。日本大学にて医長や心臓外科の助教を務め、訪問診療を専門にしたクリニックにて院長を務めた後、2022年3月『ゆずな内科在宅クリニック』開業。同時に住宅型有料老人ホーム『ゆずなの郷』オープン。
吉武 勇 院長
ゆずな内科在宅クリニック
草加市/高砂/草加駅
- ●内科
- ●循環器内科
- ●皮膚科
- ●外科
- ●精神科
- ●訪問診療
心臓外科医として23年勤めた後、内科在宅クリニックを開業
子どもの頃は何かものを作ったり研究したりすることに興味を持ち、小学校の卒業文集には博士になりたいと書いていました。高校になり進路を決めるときに、日本大学の付属高校にいてSF好きというのもありますが、航空宇宙工学科への進学を考えた時期もあります。母親が医療事務に携わっていたため、手に職をつけることやお医者さんの仕事は感謝されてとてもいい仕事だと勧められたことをきっかけに、医師の道に興味を持ちました。
日本大学卒業後は第二外科に入局して、出血を止める技術を学ぶために心臓血管について学びました。学生時代の臨床研修にて腹部の大動脈瘤破裂の手術に立ち会わせてもらったとき、当時の主任教授が血管外科の先生で非常に手術がうまく、ショック状態のなか1分1秒を争うような切迫した状況で破裂した大動脈を開腹するやいなや、あっという間に手で遮断して劇的に血圧が回復するさまを目の当たりにして、ますます心臓血管外科に興味が沸いていきました。
23年間、心臓外科医として心臓外科と血管外科の両方を経験してきましたが、ドイツに渡って研鑽を積んでいたときもあります。いろいろな先生を見てきて、心臓外科医というのはある年齢をピークに衰えていくものだと実感していたからこそ、自分がメスを置くときはピークの時にしたいと考え、おおよそ50歳くらいかなと思っていました。たまたま退職したタイミングで訪問診療を専門に行うクリニックから仕事のオファーがあって、2年ほど足立区の訪問クリニックで院長を務めた後、2022年3月『ゆずな内科在宅クリニック』を開業しました。もともとおばあちゃんが大好きで可愛がられて育ったこともあって、高齢者に馴染みがありました。また心臓手術をされる方には60歳以上が多く、高齢者に対する医療に親和性があり、寄り添って治療していくスタイルが自分には合っているなと思っています。
『訪問診療』に注力し、医療を通じて安心を提供する
当クリニックでは『訪問診療』に力を入れています。診療内容については外来時におけるものと同様で、診察、検査(血液、尿、心電図検査など)、(皮下・筋肉注射、静脈注射および点滴注射など)、外科的治療(褥瘡のケアなど)、薬の処方、看護、健康管理などを行っていきます。最初のころはお昼の休憩時間と休診日に訪問診療を行っていましたが、需要の拡大とともに方針を変えました。2022年10月からは午後診療は廃止して、訪問診療にして力を入れていきます。現在は2名体制で行い、訪問診療を私が担当して、クリニック診療を後輩の医師にお願いしています。訪問エリアは16キロ圏内までを目安にお伺いし、患者さんの中には以前に心臓外科で診ていた方(板橋)もいて、遠いエリアまで行っています。
訪問医療については、がんの末期を自宅で過ごされる方が増えています。特に最期、家族といい時間を過ごせて苦しまずに逝かれる……という様子を見るとよかったなと思います。実際に訪問診療は年々患者さんの数も増えていますし、高齢者が増えていることで、安心感を得られることをいちばん求められているのではないかと考えます。私自身が患者さんの立場になってみたときに、365日、24時間不安なときには看護師さんと直接お話が出来て健康相談に乗ってくれる、病状に応じて往診に来てくれるというのは、とてもいいサービスだと思っています。
医師一人だけでなく複数の目で診て、治療状況を可視化して説明する
クリニックは温かみを感じて落ち着けるような雰囲気をつくりました。というのも、だんだん忙しくなると聴診器もあてず、ただ来院して薬を処方するだけといった診療をしたくなかったからです。当院では看護師さんや相談員を含めて、一度患者さんと対面で話をします。しっかりと時間をとって、なぜ来院したのか?世間話を含めて丁寧にお伺いしていき、そこで得た情報を私も共有して診察の際に確認していきます。というのも一人の目ではなく、複数の目で診る方がいいと思うからです。皆様も名前を呼ばれて診察室へ入ると、質問しようとしていたことを忘れて診察後に思い出す、なんてことはありませんか?みんなで和気あいあいと話せるようなクリニックにしたいなと思っています。
患者さんの年齢層は高齢者が多く、現在は皮膚科や循環器科にお困りで来院される方が多いように感じます。新型コロナを含めて風邪など一般診療でもいらっしゃいます。診療の際には目を見て、表情を見て症状を確認するようにしています。また、どのような思いでいらっしゃったのかを汲んであげるようにしていますね。治療状況は画面をつかって説明し、患者さんが目で見てわかるようにしています。
『アットホームさ』を求め、住宅型有料老人ホームもオープン
私が実現したかったことの1つとして、医療従事者が身近にいて安心感を提供する、住宅型有料老人ホーム『ゆずなの郷』もオープンしました。いろいろな老人ホームを訪問してみて、人生を一生懸命に生きてきた人たちが、最後に縛りのある老人ホームで過ごしてしまうことに疑問をもっていました。施設が大きくてきれいなことはいいのですが人間味があまりなく、大きな食堂に大勢が集まって行うレクリエーションも義務的であったり、入居者本人が本当にやりたいことが出来ず、コロナ禍での面会制限があったりと自由がない様子に心を痛めていました。そんな中、住宅型の老人ホームにかかわることがあり、まるで家族の一風景を切り取ったかのようなアットホームな光景に衝撃を受けました。入居者と施設の人たちが仲良くオリンピック観戦をしていたり、台所で料理をしている音や美味しそうなにおいがしたり、洗濯物を一緒にたたんでいたりと本当に家族の一員のようでした。特に今日では独居の高齢者が増えて自宅に一人でいたり、掃除も行き届かないゴミ屋敷のようなところにいたりするのも何だか寂しいなと思います。そういったさまざまな背景から、アットホームな空間で、心穏やかに安心して暮らせる住宅型有料老人ホームをつくりました。
これから受診される患者さんへ
何がいちばん求められているかというと『安心』ではないでしょうか。スタッフや医材をそろえて、訪問診療であってもクリニックへ来るのと同じ医療を提供しています。重症になり在宅では診られないといって、病院へ送り込まれてしまうことも多々あります。患者さん本人は在宅を望んで在宅診療を受けているからこそ無下にしていると感じます。そういった意味でも私自身はたくさんの重症患者を診て経験を積んできているので、しっかりと寄り添ってサポートができ、最期まで診られることが強みだと感じています。
※上記記事は2022年9月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
吉武 勇 院長 MEMO
外科専門医 /心臓血管外科専門医
- 出身地:東京都
- 趣味&特技:スキー・映画鑑賞
- 好きな本・愛読書:守り人シリーズ
- 好きな映画:スターウォーズシリーズ・ハリーポッターシリーズ
- 好きな言葉 座右の銘:一期一会・全ての出会いは必然
- 好きな音楽やアーティスト:いきものがかり
- 好きな場所・観光地:雪山
- 出身大学:日本大学
吉武 勇 院長から聞いた
『急性大動脈解離』
『急性大動脈解離』は季節性の病気、9月から春前まで急増
グラフで見る『吉武 勇 院長』のタイプ
穏やかでやさしく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
穏やかでやさしく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
CLINIC INFORMATION
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吉武 勇 院長
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